我が子が引きこもりになってしまい、どう対処して良いのか分からずにお困りの方はいらっしゃいませんか?

最近、ニュースなどでよく話題になる「8050問題」は、50代の引きこもりの子どもを、80代の親が養っているケースを指します。引きこもりは長期化する傾向があり、10年20年引きこもっている人も珍しくありません。

自分達が元気なうちに、子どもを外の世界に連れ出したい、と願うご両親は多いでしょう。子どもが引きこもりになった時、親には何ができるのかを考えていきます。

カーテンを開ける

野良猫の子育てをご存知でしょうか。子猫が産まれてから、子離れの時期を迎えるまでの間、親猫が欠かさず行うことがあります。それは、子猫を日光に当てることです。

少しの陽だまりを見つけては、子猫の首をくわえて、日の当たる場所に移動させます。

太陽の光に当たると、体内でビタミンDが生産されます。ビタミンDは骨の健康の維持には欠かせないため、親猫は子猫を少しでも太陽光に当てようとするのです。

また、太陽の光を浴びると、脳内でのセロトニン合成が活発になります。セロトニンとは、情緒の安定や感情のコントロールには欠かせない脳内で働く神経伝達物質のひとつです。

もしも、子どもが一日中電気も点けずに自室に閉じこもっているなら、まずはカーテンを開けさせるところから始めましょう。例え、窓越しの光であっても、当たるのと当たらないのでは雲泥の差です。部屋が日の出とともに明るくなり、日没とともに暗くなれば、昼夜の区別もはっきりつき、狂いがちだった体内時計もやがて整っていきます。

庭やベランダに出て日光浴ができれば理想的ですが、焦りは禁物ですので、まずはカーテンを開ける生活を目標にして下さい。

規則正しい生活リズムを身につけさせる

ある男子医学部生がうつ病に罹り、大学を休学することになりました。その時に、同居していた母親が、唯一彼に強制したことがあります。それは、毎朝7時に必ず起床させることでした。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、うつ病は朝起きる事が大変辛い病気です。そのため、毎朝のように親子喧嘩が絶えなかったと言います。「病気の自分を叩き起こすなんて鬼のような親だ」と、彼は思っていたようです。

しかし、結果的には規則正しい生活を送ることで、彼のうつ病は長引くことなく完治し、半年ほどで大学に復学できました。

引きこもりの子どもは、明日の予定がないため、どうしても夜更かししがちです。そして朝はなかなか起きられないという悪循環に陥ります。そんな生活を続けていると、どんどん就寝時間が遅くなり、ついには昼夜逆転の生活になりかねません。

一度、昼夜逆転の生活習慣が身についてしまうと、そこから抜け出すのは容易なことではなくなります。引きこもっている子どもが「ちょっとアルバイトでもしてみようか」という気になった時に、朝起きるのが辛いため挫折してしまったという話もよく耳にします。

いざという時に困らないためにも、規則正しい生活を送らせて下さい。

食事は家族揃って食べる

自室に閉じこもって、トイレや入浴以外、部屋から出てこない子どものため、部屋の入口まで三度の食事を運ぶ母親がいます。子どもの栄養状態を心配するがゆえの親心なのでしょう。

しかし、子どものためを思ってする行為のはずが、結果的に子どもの引きこもり生活の手助けをすることになっています。引きこもり生活も、家族の中に援助者がいるために、長く続けていられる側面があることを心に留めておいて下さい。

食事はなるべく家族と一緒に摂らせましょう。例え、本人が一言も口を利かなかったとしても構いません。大切なことは、自分も家族の一員だという感覚を忘れさせないことです。引きこもってしまうと、リアルな人間関係を保てる唯一の存在は家族です。

家族との接触が途絶えないように気を配って下さい。

子どもが興味を示したものはとりあえずやらせてみる

もしも、子どもが何かに興味を示したり、やってみたいと思うことができた時は、とりあえず何も言わずにやらせてみましょう。

親目線で考えると、それが将来何かの役に立つのか、安定した収入につながるのかで判断してしまいがちです。「漫画家になりたい」「歌手になりたい」など、親から見たら突飛な夢だとしても、本人に「やりたい事ができた」事は、生きる理由が見つかったという事でもあります。引きこもりから脱出するための、大きな一歩を踏み出したと言えるでしょう。

他人に迷惑をかけない限り、自由に生きることができる世の中です。将来のことを心配するよりも、まずは引きこもり状態からの脱出を最優先に考えましょう。

夢を実現させるために、外に出て行く必要に迫られたら、子どもは勇気を出して自分の部屋から飛び出していくかも知れません。どうしても家から出られないのなら、通信制度を利用することもできます。いずれにしても、外の世界と繋がるきっかけさえ掴めば、意外とすんなり引きこもり状態から抜け出すこともあります。

簡単な家事を任せる

何かひとつ、時間が掛からない取り組みやすい家事を任せましょう。

朝晩ポストまで新聞を取りに行く、花壇の花に水をやる、などが理想的です。少しでも外の空気に触れることで、季節の移り変わりを肌で実感できますし、良い気分転換にもなります。

外に出るのを嫌がる場合は、家の中でできることで構いません。そして、子どもが家事をやり終えた後は「ありがとう」「助かるよ」などの声掛けをしてあげて下さい。

何かの役割を与えることで、“自分も家族の役に立っている”と思えるようになります。引きこもりになった子どもが、一番に失うものは「自信」ではないでしょうか。毎日が無為に過ぎて行く、自分がいなくても世界は何も変わらない、自分は役立たずだ、というマイナス思考にストップをかけるためにも、役割を与えることは大切です。

親自身のストレスを減らす

引きこもりの子どもを抱えた親の心痛は察するに余りあります。

子どもの将来はいったいどうなるのか、自分達親がいなくなった後、子どもはどうやって生きて行くのか、考えればきりがないほど心配事は次から次に湧いてきます。

特に専業主婦など、一日中家にいる場合は、いつも子どものことが頭から離れず、相当なストレスを抱え込んでしまいます。誰かに相談したくても、話せるような相手がいない人もいるでしょう。徐々に友達とは疎遠になり、近所付き合いもやめ、最悪の場合、親子で引きこもりの状態になってしまうこともあります。

そうならないために、親自身のストレスを解消するよう心がけましょう。引きこもりの家族のための相談を受け付けたり、引きこもり家族のための講習会を開いている市もあります。市報やインターネットをチェックして、興味が湧くものがあれば、積極的に参加してみましょう。

そこで同じ引きこもりの子どもを持つ、気の合う友達と出会えるかも知れません。また、専門家に相談することで、新たな気付きがあったり、良いアドバイスをもらえることもあります。

有益な情報が得られるよう、意識的に気持ちを外に向けてみて下さい。

まとめ

同じ引きこもりと言っても、子どもの状況は千差万別です。自室から一歩も出ない子どももいれば、近所の散歩程度ならできる子どももいます。

親としてできることをテーマにいくつか例を挙げましたが、お子さんの状態に合わせて、取り入れやすいものを試してみて下さい。