熟年離婚をした女性たちがその後どのような生活を送っているのか、ご興味のある方は多いのではないかと思います。今回は、20年以上婚姻関係にあったパートナーとの関係に終止符を打ち、その後幸せに暮らしている女性たちのケースをご紹介します。

シニア世代にとって、離婚を実行に移すには相当なエネルギーを必要とします。お金のこと、老後のこと、夫以外の家族のこと。様々な問題を乗り越え、熟年離婚をした末に幸せをつかんだ女性たちの共通点とはいったい何なのでしょうか。

自由に暮らせる喜び

束縛する夫、嫉妬深い夫、干渉する夫。そんな夫との息が詰まるような生活に別れを告げ、ひとりで好きなときに好きなことをして人生を謳歌する女性がいます。特に夫が定年を迎え、ずっと家に居るようになったことが原因で熟年離婚した女性にとっては、自由であることの喜びは何物にも代えがたいもののようです。

これまでは家を空けると不機嫌になる元夫に遠慮して、なかなか会えなかった女友達との旧交を温めたり、ずっと挑戦してみたかった趣味の教室に通い始めたり。最近では女性の1人旅も珍しいものではなくなりました。おひとりさま限定のツアーもありますから、旅行好きの女性のなかには旅をする楽しみに加え、旅先で一緒になったツアー客と友達になる楽しみもあると言います。

長年の夫とのストレスフルな生活から解放され、“ひとり”であることを思いきり楽しめる精神的に自立した女性に多いケースです。

シングルになって恋愛も自由に

何十年ぶりかにシングルになった女性は、もはや恋愛も自由です。離婚直後は「もう男はこりごり」と思っていても、時が経つにつれ“やはり人生のパートナーが欲しい”と思うようになる女性も決して少なくありません。

最近ではシニア世代に特化した婚活サイトや結婚相談所のサービスが増えてきました。団塊の世代が高齢者と呼ばれる年齢を迎え、熟年離婚をするケースが多くなるとともに、離婚後に新たなパートナーを探す人が増えた証とも言えます。

恋愛に年齢は関係ない、いつまでも女性としてときめいていたい、元夫とは構築できなかった理想の夫婦関係を築ける人を見つけたいという思いが熟年離婚を経験した女性に芽生えたとしても、それはむしろ自然な感情ではないでしょうか。

結婚に1度失敗したからこそ分かることがあります。その失敗を次の結婚に活かし、今度こそ幸せになりたいと強く願う女性ほど、素敵なパートナーと巡り合う確率が高まると、結婚相談所のスタッフは言います。失敗は成功のもと、ととらえ充実した人生を生きようとするたくましさが幸運を呼び寄せるのかも知れません。

子どもが味方に

夫の家庭内暴力や借金トラブル、繰り返される不倫などを子どもたちのために耐えてきた妻が、子どもの大学進学や就職を機に夫と離婚するケースは少なくありません。

亜希子さん(58歳)もそんな女性のひとりでした。結婚し一男一女に恵まれたものの、元夫の女性関係に長年悩まされ続けていたのです。長女が大学を卒業し就職したのとほぼ同時に元夫とは離婚しました。

専業主婦だった亜希子さんは、離婚後は小さいアパートを借りてそこでひとり暮らしをしながら、パートの職を探そうとしていました。そこに長男夫婦から「一緒に暮らさないか」という思いがけない申し出があったのです。当初は、長男に迷惑をかけたくないと躊躇していた亜希子さんでしたが、長男の嫁からも是非にと勧められ、思いきって同居をしてみることにしました。

長男夫婦には3歳になる娘がおり、亜希子さんにとっては可愛い初孫です。亜希子さんに大変懐いており、この孫の存在も、亜希子さんに長男夫婦との同居を決断させる一因となりました。同居後は、共働きの長男夫婦のせめてもの助けになるようにと、亜希子さんが平日の夕食を担当することにしました。週末の家事はお嫁さんがこなします。月々の生活費は、自分の分だけはきちんと長男夫婦に渡すことにして、いまは孫の成長に目を細めながら穏やかな毎日を過ごしています。

亜希子さんのようなケースでは、子どもたちは幼いときから母親の苦労を間近で見て育ちます。そのため、成人した子どもが離婚後に心強い味方になってくれることがあります。ただし、注意したいのは、初めから子どもを当てにして離婚を考えないことと、もしも子どもと同居する場合は、前もってお互いの生活が守られるようルールを決めておくことです。

同居後に、家事や孫の面倒をなし崩し的に押し付けられたり、金銭的なトラブルが起こったりすると、せっかくの子どもとの良好な関係もたちまち険悪なものに変わってしまいます。1人になった今、子どもや親戚とはできるだけ良い関係を保ちたいものです。そのためにもお金の話や家事分担の話など、身内同士では話しづらい事柄も、あえてお互いに納得がいくまで話し合うことをおすすめします。

夫の親の介護から解放される

妻が自分の親の面倒を見るのは当たり前のように思っている夫のなかには、妻に対して「ありがとう」の一言もなく、ましてや手伝おうという素振りを見せることすらない人がいます。そのうえ、要介護者である舅や姑に昔から嫌な思いをさせられてきたような場合、妻にとって介護は相当な負担となってしまいます。介護を“苦痛”と感じる自分に罪悪感を持ってしまい、自己嫌悪に苦しめられる妻も少なくありません。

なかには、実際に介護をしていなくても、“将来夫の両親の介護をさせられると思っただけでゾッとする”という理由で熟年離婚を決断する妻もいます。なんて冷たい嫁だ、と非難することは簡単ですが、妻側から見れば“そう思うだけの仕打ちを自分は受けてきた”という思いがあるのでしょう。

離婚後は、自由な時間を満喫したり、今まで手が回らなかった自分の親のケアをしたりして、これまでやりたくてもできなかったことを、誰にも遠慮することなく思う存分できるようになります。離婚することによって夫の親の介護ストレスから解放され、自分の人生を取り戻せるというケースです。

意外と大丈夫だった離婚後の生活

熟年離婚後の生活を心配して、なかなか離婚に踏み切れなかった人ほど、実際に離婚してみると「意外に大丈夫だった」という感想を持つようです。このタイプの女性はもともと慎重な性格なので、離婚するに当たり十分な準備を整えていたと考えられます。

離婚にまつわるお金の問題について言えば、財産分与や慰謝料の請求に加え、夫の年金分割の他に夫の退職金も夫婦で分割することができます。年金は65歳に達しないと満額支給されませんから、それまでどう生活をつないでいくのか、ある程度はシビアに考えなければなりません。

そこをクリアできた女性は、経済的な心配をする必要もなく、贅沢をしなければある程度快適な生活を送ることができます。

まとめ

熟年離婚という決断をし、その後幸せに暮らしている女性たちのケースをご紹介しました。彼女たちに共通して言えるのは、離婚後の生活のリスクと引き換えに自由を手に入れた、ということではないでしょうか。離婚するにあたって、金銭的な準備を怠らなかった点も重要です。また、亜希子さんのように、長年の苦労が子どもによって報われるケースもありました。

しかし、残念ながら熟年離婚をした妻が全員幸せになれるわけではありません。それについては「熟年離婚後の生活はバラ色ですか?~NO編~」で詳しく紹介していますので、ご興味のある方はご一読ください。